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人材採用とは、共に成長できる仲間との出会い
国籍を問わず、求めるスキルや経験を重視
―貴社の事業内容について教えてください。
当社は、電子コミックサービス「LINEマンガ」の運営を行っています。グローバルでの月間利用者数8,200万、取引額1000億円、作品数10億を超える同市場で圧倒的世界1位の規模を誇るプラットフォームサービスの連合体“WEBTOON GLOBAL”の一員として日本市場で展開しています。
「LINEマンガ」はこれまで紙で発展してきた日本のマンガ文化をITの力でリデザインし、日本が誇るマンガの未来をさらに発展させ、これまで以上に世界へと広げていくことを目指しています。
特に最近は、LINEマンガから生まれたオリジナル作品をアニメ化・ドラマ化するなど、IPBusinessの展開にも非常に力を入れており、単なる「マンガサービスを運営する会社」ではなく、様々な形でLINEマンガのコンテンツを展開する取り組みを強化しているところです。
―外国籍社員を採用するきっかけは何だったのでしょうか?
元々弊社では、国籍を問わず、求めるスキルや経験を持ち、それらを活かしてご活躍いただける方という基準で人材採用を行っています。言い換えれば、我々が重要視しているのは生まれ持った属性ではなく、募集しているポジションに求められるスキルや経験を保有し、共に力を合わせながら成長していくことのできる仲間との出会いです。
そして、2020年8月に、当社はアメリカのWEBTOON Entertainment Inc.(ウェブトゥーン・エンタテイメント)のグループの一員になりました。グローバル企業として、国籍などの生まれ持った属性に捉われない多種多様な人材の採用は、より加速していくと考えています。
また、現在、外国籍社員は全社員の13%程を占めており、アメリカ、韓国、台湾、中国、ベトナム、ポーランドなど、さまざまな出身国の社員が約8人に1人の割合で在籍しています。
職種に関しては、サーバーサイド、フロントエンド、iOS、Android、QAなどのITエンジニア職が特に多いですが、それ以外のマーケティング職やマンガ編集職も含め全ての部署に1人以上外国籍社員が在籍しており活躍しています。
部署によっては韓国に拠点を置くグループ会社NAVER WEBTOON Corporation(ネイバー・ウェブトゥーン)のメンバーが兼務出向していますので、その意味では先ほど申し上げた13%を超える外国籍社員が就業している状況です。
高い専門性、即戦力、バイタリティをあわせ持つ
外国籍社員は、 ポジティブな影響を与えてくれる存在。
―外国籍社員を採用するメリットはどんな点にありますか?
お伝えした通り、当社では国籍を意識した人材採用は行っておらず、求めるスキルや経験が合致して入社された方が結果として外国籍だったということになりますが、その上で、メリットに感じていることはいくつかあります。
まず大きなポジティブ要素だと思うのは、自社サービスをより良くしていこうという時に、さまざまな文化的背景や価値観を持つメンバーの多角的な視点を持ち寄りながら、サービス展開や成長を図っていけることです。
また、これは当社に限った話ではないと思うのですが、外国籍社員の方は総じてバイタリティの高い方が多いと思います。母国を離れ、日本という外国に身を置き自己実現のために仕事をするということは、そもそも大変な勇気と行動力を伴うことです。
当社で働く外国籍社員の方たちは、そのバイタリティと相まって高い専門性と即戦力性を兼ね備えていますので、周りのメンバーたちを巻き込みながらそれぞれの業務を推進してくださっています。その意味でも非常にポジティブな影響を与えてくれる存在だと思っています。
―その逆に、苦労したことや大変だったことはありますか?
社内公用語は日本語ですので、業務上必要な最低限の日本語スキルは必要としており、若干ではありますが言語の壁があることも事実です。当社では、そうした壁を少しでも取り払えるような取り組みをさまざまな方面で進めているところです。
その一つが、日本語、韓国語、英語の語学講座の提供です。全社員を対象に受講希望者が参加できる形を取っており、就業時間中の受講も可能としています。この取り組みと並行してNAVERグループの自社開発翻訳ツールも導入しています。非常に精度が高いツールですので、日本籍社員と外国籍社員間でのメール文のやりとりなども、このツールを使うことで基本的には問題なく行うことができています。
また、より円滑なコミュニケーションを図るための仲介役として、専門の通訳翻訳士も自社で採用しています。韓国のグループ会社とやりとりする際や社内ミーティングでも必要な場合は通訳士を介して意思疎通を図っています。
また、外国籍社員について配慮すべきことで言うと、ビザの対応や長期間母国に一時帰国する場合の対応などが挙げられます。例えば母国で暮らす家族が病気になってしまい、急遽帰国したいといった緊急を要する場合には、速やかに帰国できるよう人事の方でサポートを行っています。
弊社の働き方はリモートワークがベースとなっていますが、緊急対応などで出社が必要だと判断した場合に翌日には出社できるよう、居住地の範囲を定めるルールがあります。
しかしながら、先にお伝えしたようにご家庭の事情により海外からのリモートワークが必要な方については長期の一時帰国を認めたり、日本国内であっても同様の理由で遠方からリモートワークをしている実績もあり、弊社は「働く場所や居住地に左右されず、社員の状況や多様な価値観に合わせて働き方を選択できる体制」を取り入れています。
社内に広がる、丁寧なコミュニケーションの輪。
―外国籍社員の採用後に得られた効果や変化について教えてください。
全体として、日本籍社員が外国籍社員と丁寧なコミュニケーションを取ろうとする姿勢が醸成されていると思います。例えばITエンジニア職の場合、Slackなどのビジネスチャットツールを使って日常的にやり取りをしますが、その中で少し難しい日本語が出てきた時に英語に置き換えて分かりやすく説明してあげるといった具合です。
元々彼らが使う専門用語は英語が多いので、日本籍のITエンジニアは自分たちが持ち得る知識をもって、相手の分からない部分を速やかに紐解くことができるようです。
テキストでのやり取りに限らず、同様のシチュエーションが会話の中で起きた場合も、必要に応じて日本籍社員が外国籍社員に寄り添うコミュニケーションが行われています。
このように、社内のあらゆる場所で良好な関係性を育むことができているのは、温厚で思いやりにあふれる日本籍社員の存在あってこそだと自負しています。
コミュニケーションの話で言うと、最近はオンラインでの懇親会やランチ会、飲み会も活発に行われています。飲み物だけでなく料理も楽しんでもらえればと思い、オンラインフードデリバリーの種類も充実させました。金額に上限はあるのですが、費用は当社が全額負担しています。新たに入社したメンバーにとっても、歓迎会や入社月の近い社員同士の懇親会などを通じて親交を深められる場となっています。
―G Talent を導入いただいたご感想をお聞かせください。
GTalentからは、2021年に外国籍のITエンジニア職2名をご紹介いただき採用に至りました。サーバサイトとiOSのエンジニアで、それぞれベトナムと中国出身の方です。
GTalentは外国籍ITエンジニアに特化した転職エージェントであるがゆえに、その他のエージェントではリーチできないような、即戦力となる外国籍IT人材を集めてご紹介くださいます。
当社をご担当くださっているコンサルタントの方は、求めるスキルや経験はもちろんのこと、我々のビジョンや社風をしっかり理解した上で最適な候補者を選び取り、採用に至るまでのプロセスを伴走し、全面的にサポートしてくださいました。
優秀なITエンジニアの獲得は非常に競争の激しい世界ですが、その中で高い成約率で採用できたのは、我々と候補者の架け橋となるべく、双方との丁寧なコミュニケーションを通じてご尽力くださったコンサルタントの方のおかげです。最適なマッチングを実現していただき、ありがたいかぎりです。
一人一人の個性を大切に、多様な人材が活躍できる環境を今まで以上に整えていきたい。
―今後の展望についてお聞かせください。
国籍、人種など生まれ持った属性や性の多様性など、一人一人の個性を大切にしながら、多種多様な方たちが活躍できる環境を今まで以上にしっかり整えていきたいと考えています。
また、先にもお伝えしたように、当社は親会社がアメリカ、グループ会社が韓国にあり海外拠点とのつながりも強いので、グループ会社間での交流を深めていくことで社員のさらなる成長機会を創出できると思っています。
例えば、グローバル単位のプロジェクトを立ち上げて一緒にサービス開発を行ったり、各国で働くエンジニアを集めてグローバルな社内技術カンファレンスを行い、最新技術の活用事例を発表するなどの機会を実際に生み出すことが出来れば面白い展開が期待できると思いますし、ひいては、全社としての成長にもつなげていくことができると思います。
実現するためには無論我々の努力が必要ですが、GTalentの皆様にもIT人材市場の潮流などについてご教示いただきながら、共に成長していけたら嬉しく思います。今年度もエンジニアを中心に人材採用を行う予定ですので、引き続きお力添えいただけますと幸いです。
―最後に、外国籍人材の採用を検討されている企業の方にメッセージをお願いします。
企業によって、外国籍人材の採用を検討するきっかけはさまざまあると思いますが、事業内容を鑑みた時に、外国籍人材を活かせる余地が少しでもあると思うなら、前向きに進めていかれた方が享受できるメリットは多いと思います。
とはいえ、初めて採用するとなると懸念事項もいろいろと出てくるのではないかと想像します。そこで一つおすすめしたいのが、日本の文化にも馴染みがあって日本語もある程度堪能な方を、まずは1人採用してみることです。日本での就業経験があるとなお好ましいと思います。
我々も、1人目の採用はそうやってスタートしたのですが、ミスマッチがないと思いますし、実際一緒に働いてみたら、国籍の違いで困ることもほとんどありません。もし何か起きたとしても、相互理解を深めることで解決策を見出していくことができます。もう一つ付け加えるとしたら、他社の採用事例を確認することも有用だと思います。
人事担当者同士で互いに学び合えることもあると思いますので、何かあれば、ぜひお気軽にご連絡ください。我々の経験からお伝えできることがあれば喜んで共有させていただきますし、逆に、皆様の採用についてもご教示いただきたいです。情報交換を通じて、共に成長していけたら無上の喜びです。