G Talent/GitTapでは、グローバル人材の採用を通じて、多くの企業様を支援させていただいております。エンジニアの採用がますます困難になる中、注目されているのが「グローバル採用」です。しかし初めての取り組みで、なかなか導入まで踏み切れない企業様も多いのではないでしょうか。本特集では「グローバル採用の実情」や「活用のための取り組み」を、グローバル採用の先進企業にインタビュー。グローバル採用をご検討中の企業様に、ご参考いただければ幸いです。第12回目となる今回は株式会社ビットエーの森本様にお話を伺います。(これまでの記事はこちら)
Contents
国籍を問わず、企業文化や価値観にマッチする優秀な人材を採用
―貴社の事業内容について教えてください。
ビットエーは、「プロフェッショナルなチームでセカイを変える。」というミッションのもと、デジタル領域における課題解決のソリューションを提供する企業です。Webサービスの制作・運用・グロースのための企画・設計・実装を得意としており、クライアントの課題に合わせて柔軟にチームを編成し、事業成長にコミットする伴走型の支援を提供しています。
高いITリテラシーと実行力を兼ね備えた各専門領域のプロフェッショナルたちが、チームとしてクライアントの事業課題やサービス上の課題に共に向き合い、企画から開発まで一貫して実行できることが、当社の強みの一つであると自負しています。
クライアントの課題を解決に導く中で、私たちが何よりも大切にしているのは、綿密なコミュニケーション、目線合わせです。開発中に発生するさまざまな状況の変化に柔軟に対応しながら、迅速に開発を進めるためには、細やかなコミュニケーションが欠かせません。クライアントと真摯に向き合い、その意図や思いをしっかりと汲み取りながら、良きパートナーとなれるよう協力関係を築き上げていくことを大切にしています。
―外国籍社員を採用するきっかけは何だったのでしょうか?
国内のIT人材不足が叫ばれて久しい昨今において、当社は事業展開の初期段階から国籍に関わらず、人材採用を行ってきました。募集ポジションに適したスキルや能力を持ち、クライアントとの協力関係や仲間を大事にするといった当社の文化や価値観にマッチする方を採用してきた結果、メンバーの中に外国籍社員が徐々に増えてきたというのが率直な所感です。
現在は全従業員185名中、13名が外国籍社員です。うち10名はエンジニアで、他3名はディレクター、デザイナー、データサイエンティストとして活躍しています。
成長意欲の高い外国籍社員は
日本人社員にポジティブな影響を与えてくれる存在
―外国籍社員を採用するメリットはどんな点にありますか?
まず、採用の前段階においてメリットを感じていることとして、採用ターゲットの拡大が挙げられます。日本人のみならず外国籍人材にも目を向けることで、ターゲット層がおのずと広がる為、求める人材と出会えるチャンスも格段に増えると思います。
外国籍社員を採用するメリットの一つは、仕事に対する高い意識や成長意欲を持つ彼らの存在が、日本人社員にとって刺激になっていることです。
例えば、外国籍社員を新卒採用したことが何度かあるのですが、非常に優秀で、入社1年目にして頭角を現すケースもありました。そうした姿を目の当たりにした日本人の新卒社員が、良い意味での危機感を感じて、「自分も負けないように頑張ろう!」と触発されるといった具合です。
新卒社員に限らず、当社に入社してくる外国籍人材は国境を越えて自国ではない地域で就業していくことを決めている方々であり、総じて仕事に対する意欲や日本という地域/カルチャーに対する思いが強い傾向にある印象です。そういった方々と共に働いていく環境が、スキルや能力を自発的に磨き、パフォーマンスを向上させようとする意識の醸成にもつながっていることを実感しています。
―その逆に、苦労したことや大変だったことはありますか?
当社の社内公用語は日本語ですので、外国籍社員も、基本的には日本語で業務を行っています。そのため、外国籍の採用候補者の方においては、業務に必要なコミュニケーションを日本語で行えるかどうかを、採用面接で見させていただいています。しかし実際のところ、その能力の見極め方について一定の基準があるわけではなく、ケース・バイ・ケースで判断しているのが現状です。
例えば、日本語能力試験で高い成績を収めた人でも、ビジネス上のコミュニケーションを日本語でスムーズに行えるかと言うと、決してそうとは限りません。試験の結果はあくまで参考ですので、実際に面接でお話しする中で、意思疎通がスムーズに行えるかどうかを判断させていただいています。場合によっては当社が費用を全額補助する形で、入社前に日本語教育を受けてもらうケースもあります。この場合、業務を行う上で問題なく意思疎通が行えるレベルまで引き上げていくという感じです。
また社内では、書類やメールなど書面のやりとりも基本的には全て日本語で行っています。その中で、引き継ぎ資料やマニュアルといった関係者に共有する資料作成を行う場面があります。そういったシーンでは外国籍社員も日本人社員と同じように自ら取り組みますが、母国語ではない日本語で込み入った内容を文章化することは、やはり容易ではありません。必要に応じて修正・加筆を行うなど、同じチームの日本人社員がサポートにあたっている状況です。
外国籍社員との交流が、視野を広げる良い機会に。
英語でコミュニケーションを図る場面もおのずと増えた
―外国籍社員の採用後に得られた効果や変化について教えてください。
外国籍社員の多くは、母国だけでなく、世界のさまざまな国を訪れた経験があり、その国々の状況や文化にも精通しています。そうした知見を社内で共有してくれることがあるのですが、日本人社員にとっては、視野を広げる良い機会になっていると思います。外国籍社員と交流することによって、日本だけではない世界を改めて肌で感じることができているように思います。
最近では、英語を共通言語とした体制で業務推進しているチームも一部あります。社内の公用語は日本語ですが、特に開発領域において、関連会社や外部パートナーを含むスタッフ間のコミュニケーションを英語で対応した方がスムーズなケースがあるためです。加えて、終業後に社員同士が親睦目的で集まり、外国人の方が多く集まるバーやカフェ等に行き、英語で交流を図るような活動も生まれています。
―G Talentを導入いただいたご感想をお聞かせください。
2024年に、フロントエンドエンジニア、データサイエンティスト、エンジニアの3名をご紹介いただき採用に至りました。G Talentのサービスを通じて、当社の希望にかなう素晴らしい外国人人材をご紹介いただき、ありがたく思っています。G Talentの存在があってこそ、優秀な外国籍社員の採用を実現できているといっても過言ではありません。今後も、お力添えいただけますと幸いです。
「仲間と共に」という想いに共感を抱く
優秀な人材の採用に注力していきたい
―今後の展望についてお聞かせください。
2020年、当社は海外での事業展開の第一歩として、ベトナムのホーチミンに新たな拠点を立ち上げました。今後は、ベトナムを含む海外展開にさらなる力を注ぐと共に、マイルストーンの一つとしてIPOを目指していく考えです。具体的な時期が決定しているわけではないのですが、今後の数年の実現に向けて少しずつ準備を進めている状況です。
上場することがゴールではありませんが、社会的信用の増大やブランディングの強化が見込めるという意味では、一つの転換点になると思っています。そこに向けて、当社の根幹にある「仲間と共に」という想いに共感を抱き、私たちと共に成長し続けてくれる優秀な人材の採用にも、さらに注力していきたいと思っています。
―最後に、外国人人材の採用を検討されている企業の方にメッセージをお願いします。
業種や企業によっては、外国人人材を活用しなくても、必要な人材を確保できているケースはまだ多くあるのではないかと思います。ただその一方で、日本の労働力人口や生産年齢人口の減少が進む中、長期的な視点で見ると、いずれは業種を問わず外国人人材の力を活用する場面が増えていくことも考えられます。
そうした時に、採用や人材活用のノウハウや知見が全くない状態より、ある状態で進めた方が好ましいのは言うまでもありません。その意味でも、外国人人材の採用を検討されているなら、なるべく早いタイミングで少しずつ始めた方がいいのではないかと思います。