日本企業の面接対策2弾!転職・退職理由の答え方

前回は「日本企業の面接対策!面接の質問と答え方のポイント【外国人の就職・転職】」の記事で外国人の方々向けに、日本企業の面接対策についてご案内いたしました。

今回は日本企業の面接で絶対に聞かれる「転職・退職理由」の考え方や面接における答え方について詳しく説明をしていきたいと思います。

日本で転職活動をする外国人の方から見ると、あまり重要なことではないように見えても、採用した人材に長く働いてほしいと考える日本企業にとっては、この転職・退職の理由が面接において一番重要なものであると言っても過言ではありません。

日本の企業が転職・退職理由で何を判断しているのか、ということを理解しながら、転職活動の面接で必ず聞かれる転職・退職理由の質問に対して、うまく答えられるようにしましょう。

転職・退職理由を通して日本企業がチェックしていること


まずは、なぜ日本企業がここまで転職・退職理由を気にするのか、企業側が転職(退職)理由を通して何を見ているのかを理解しましょう。日本企業が転職・退職理由を通して見ていることはポイントは主に以下3点となります。

  1. 長く働いてもらえるか(入社しても直ぐに辞めてしまわないか?)
  2. モチベーション高く働いてもらえるか
  3. 自分のキャリアや成長に対して真剣に考えているか

それではこの3点について詳しく説明していきたいと思います。

①長く働いてもらえるか

1つ目の「長く働いてもらえるか(入社しても直ぐに辞めてしまわないか」については、日本企業は採用する人材には長期的に働いて欲しいと考えているケースが多いため、非常に重要なポイントになります。

企業側は、応募者が今の会社を転職する理由を聞くことで、

「嫌なことがあったある直ぐに辞めてしまわないか」

「同じような理由で当社も辞めてしまうのではないか」

をチェックしています。

そのため、面接においては、応募先の企業がしっかりと納得を示し、長く働いてもらえるというイメージを持ってもらえるような答え方が必要です。

②モチベーション高く働いてもらえるか

2つ目の「モチベーション高く働いてもらえるか」については、現在の会社(もしくは前の会社)を転職したいという理由が、しっかりと解決され、不満や不安がなく働けるかという点を見ています。

仕事のパフォーマンスを高める上で、モチベーションは非常に重要な要素です。働いてる会社に不満や不安があると、モチベーションはなかなか上がらないと思います。

転職・退職理由を考えるときは、応募している企業に転職をすることで、現在の会社(もしくは前の会社)を辞めたいと感じた理由が解決できるという視点で考えましょう。

③自分のキャリアや成長に対して真剣に考えているか

3つ目の「自分のキャリアや成長に対して真剣に考えているか」については、そもそもキャリアや成長に対する意識が低く、どの会社で働いても直ぐに辞めてしまう人材ではないか、ということをチェックしています。

キャリアや成長に対する意識が低いということは、仕事における積極性や自発性が低いと見られてしまう可能性があります。転職・退職理由を考えるときは、将来の自分の目標やどのようにキャリアアップをしていきたいのか、ということを改めて考えるようにしましょう。

転職・退職理由を考えるポイント


転職・退職理由を通して、何を日本企業がチェックしているかを理解できたと思います。ここでは、日本企業がチェックしていることを踏まえて、転職・退職理由を考えるためのポイントを説明いたします。

転職・退職理由を考えるポイントは主に以下の4つとなります。

  1. 事実を伝えること
  2. 転職は現状をより良く改善する行為のため、ポジティブに考えること
  3. 具体的な事例を踏まえて考えること
  4. 現在の会社(もしくは前の会社)のことを悪く言わないこと

それではこの3点について詳しく説明していきたいと思います。

①事実を伝えること

転職の目的は「現状をより良く改善すること」であり、ただ仕事を見つけることではありません。現在の会社を転職しようと思った理由が解決できなければ、そもそも転職をする理由が無くなります。

すでに退職をして転職活動している方に関しても、仕事を選ぶ上で何でも良いわけではありませんよね。前の会社を退職した理由が解決される仕事に就かなければ、また同じように退職をしてしまう可能性があります。

事実を伝えると、ネガティブなものになってしまうとお考えになるかもしれませんが、転職の目的を「現状をより良く改善すること」と考えれば、どのような理由でも、ある程度ポジティブに表現することは可能です。

②転職は現状をより良く改善する行為のため、ポジティブに考えること

すでにお伝えした通り、転職の目的は「現状をより良く改善すること」であります。転職理由を考えるとき、多くの人が転職を考えた“出来事”“きっかけ”にだけ目を向けてしまいます。そうではなく、転職理由を考えるときは、転職を考えた出来事やきっかけが、どうすれば“改善”できるのかということに目を向けて考えてみましょう。

例えば、「上司と関係が上手く行ってない、上司から評価をされない」ということをきっかけに転職を考えたとき、それをそのまま伝えると企業側にネガティブに捉えられる可能性があります。このような場合、

  • 要因(なぜそれが起こっているのか)
  • 改善策(どのようにすれば改善できるか)

を考えるようにしましょう。

先ほど上げた例(上司と関係が悪く、評価されない場合)の要因であれば、

  • 上司が求める仕事の成果と自分が求める仕事の成果が違う(上司はプロセスを評価し、自分は結果を重視するなど)
  • 全てを言われた通りにやらなければならず、自分はある程度の自己裁量を持ちながら仕事をしたい

など様々なことが考えられます。

そして、それに対して転職という改善策を考えるます。改善策としては、

  • 結果を評価してもらえる環境で働くことで、もっと多くのチャンスが得られ、自分を成長させたい
  • 自分で考えながら仕事ができる環境に行くことで、自分のスキルアップや多くの経験をして、自分を成長させたい

などが改善策として考えられ、これが転職理由になってきます

改善をすることは基本的にポジティブな行為であるため、この改善策を転職理由でしっかりと伝えることで、転職理由がポジティブに伝えるようになります。

③具体的な事例を踏まえて考えること

転職理由を伝える時だけではなく、何かを人に説明するときは具体的な事例があるのが一番説得力があります。

例えば、今の会社が年功序列で成果を残しても昇格や昇給も少ないために転職を考えている場合、それをそのまま伝えると、あなたのパフォーマンスが低いだけと思われてしまうかもしれません。

そうではなく、活躍して評価が高い先輩などでも昇給や昇格のチャンスが少ないということを伝えることで、その会社自体が年功序列の考え方をしているということが伝わるようになります。

転職理由を考える場合は、具体的な事例を交えることで、面接官が納得できるものになります。

④現在の会社(もしくは前の会社)のことを悪く言わないこと

現在の会社(もしくは前の会社)がどんなに悪くても、面接の場で会社を悪く言ってしまうと、自分の印象を下げる可能性がありますし、考え方自体がネガティブに見えてしまう恐れがあります。

面接する企業側としても、自分の会社も辞めるときに悪く言われてしまうのではないかと考えてしまいます。

どのような悪い経験でも、それを次の成長や改善に繋げられている方が、素直で成長意欲が高いように見受けられます。

短い期間で転職(もしくは退職)をしてしまった場合

短い期間で転職(退職)をしてしまった場合、嫌なことがあったら直ぐに辞めてしまう人材として見られる可能性があります。そう思われないためにも、転職理由を伝えるとき時には、以下2つのポイントを押さえましょう。

  1. 短い期間で辞めてしまうリスクを考えた上で決断をしていること
  2. むしろ短い期間であることが、あなたにとっても、採用してくれた企業側にとっても良いことであること

短い期間で退職をしてしまう場合、ほとんどが入社する前と入社した後の大きなイメージギャプであることが多いです。そうなったときに、直ぐに転職や退職ということではなく、そのイメージギャップが本当に埋められないものであるかを考えることが重要です。

例えば、その入社した企業とそのイメージギャップの解消について話したり、今はギャップがあっても働き続けると解消できるものかを考えます。

その結果、そのイメージギャップは解消できない場合は、短い期間で転職をした方が、自分にとっても、企業側にとっても良いでしょう。

そして、短い期間ので転職(もしくは退職)をする場合は、上記のポイントを押さえて転職理由を伝えることが重要です。

まとめ

世界中を見ても、「転職・退職理由」をここまで面接で重視する国は珍しいと思います。その理由としては、ご説明した通り日本企業の人材に対する考え方が起因となっています。せっかく素晴らしいスキルやキャリアを持っても、転職・退職理由で面接を落ちてしまう方もいますので、しっかりと事前に転職・退職理由は考えた上で面接に臨みましょう。

転職理由に限らず、日本企業の面接対策に関して学びたい場合は、以下の記事もご覧ください。

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