世界をターゲットにしたビジネスモデルで事業を展開!AnyMind Japan株式会社

G Talent/GitTapでは、グローバル人材の採用を通じて、多くの企業様を支援させていただいております。エンジニアの採用がますます困難になる中、注目されているのが「グローバル採用」です。しかし初めての取り組みで、なかなか導入まで踏み切れない企業様も多いのではないでしょうか。本特集では「グローバル採用の実情」や「活用のための取り組み」を、グローバル採用の先進企業にインタビュー。グローバル採用をご検討中の企業様に、ご参考いただければ幸いです。第六回目となる今回はAnyMind Japan株式会社 HR所属のMaya様Communications所属のAyaka様にお話を伺いますこれまでの記事はこちら)

―貴社の事業内容について教えてください。

 AnyMind Groupは「Make Every Business Borderless」をミッションに掲げ、コマース領域でアジアNo.1を目指すテクノロジーカンパニーです。自社開発の9つのプラットフォームを活用し、ブランドコマース事業とパートナーグロース事業を行っています。ブランドコマース事業では、ブランド企業やインフルエンサー・クリエイター向けに、ECやD2C領域を中心としたブランドの設計・企画から、生産管理、ECサイトの構築・運用、マーケティング、物流管理に至るまでをワンストップで支援しています。

パートナーグロース事業では、Webメディアやアプリを運営するパブリッシャーやクリエイター向けに、自社プラットフォームを活用した収益化をはじめとした支援サービスを提供しています。

2016年4月にシンガポールで創業して以来、当社はグローバルな事業拡大を続けており、国内外の1000以上のブランド広告主様、1400以上のクリエイター様、1200以上のパブリッシャー様をご支援しております。

現在は、グループ本社である日本オフィスをはじめ、世界13ヶ国・地域に19拠点を構え、堅調な成長を実現しています。日本に本拠地を置きながら、海外売上比率57%(2021年末時点)のグローバルな収益基盤を構築できていることも、当社の強みの一つであると自負しております。

また当社は、マネジメントメンバーの獲得や新規事業・新規地域への進出、販売チャネルの獲得にも積極的に取り組んでおり、パブリッシャートレーディングデスク事業を行う香港のAqua Media、インド発の動画広告プラットフォームPOKKTを提供するPOKKT Mobile Adsなど、これまでに7社のM&Aを行っています。また、M&Aを行う中で、累計約119億円の資金調達を実施しており、今後も当社との相乗効果が見込まれる企業買収については、国内外問わず積極的に取り組んでいく考えです。

 ―外国籍社員を採用するきっかけは何だったのでしょうか?

 当社は創業時より日本だけでなく、アジアを中心に世界をターゲットにしたビジネスモデルで事業を展開してまいりました。このスタンスは採用活動にも通じており、採用候補者を特定の国籍に絞らず、世界中のありとあらゆる人材が採用の対象となり得ます。

今後のさらなる事業成長を目指し、アジアでのM&A戦略を含めた海外展開の強化を図っており、当社が求める人材像にマッチする方を世界各国から採用した結果として、多くの外国籍社員が在籍している状況ですので、何か特別なきっかけがあったのではなく自然な流れで現在に至るという感じです。

現在、グループ全体の従業員は約1200名おり、27ヶ国・地域以上からメンバーが集まっています。エンジニアに関してはグループ全体のProduct Developmentチームとして、70名超のエンジニアがおり、さらにPOKKTなど個別のチームも存在しているため、実際のエンジニアの人数はさらに多くなります。日本オフィス在籍のエンジニアに関しては約30名強のメンバーのうち、2/3以上が外国籍のメンバーとなっています。

日本オフィスでは、イギリス、スペイン、フランス、ヨルダン、メキシコ、タイ、インド、ベトナム、フィリピン、バングラデシュなど、さまざまな国のメンバーが活躍しており、元々日本在住の方もいれば、当社への入社をきっかけに来日した方もいます。

社内公用語は、グループ全体では英語、日本オフィスでは日本語がメインとなっていますが、エンジニアの所属するProduct Developmentチームのメンバー間では英語でコミュニケーションを取ることがほとんどです。また、毎月の全社ミーティングや海外拠点とのやりとりが必要な時は、すべて英語で行っています。

一番のメリットは、選りすぐりの人材を集められること

―外国籍社員を採用するメリットはどんな点にありますか?

一番のメリットは、海外の人材市場に目を向けることにより候補者の分母が圧倒的に増えるので、モチベーションや基礎スキルの高い人材を集めやすくなることだと思います。全世界の人材という大きな分母の中で、一人一人の候補者のスキルやポテンシャルをしっかりと見極めることで、当社では各国の優秀な人材を集めることができています。

加えて複数の海外拠点を展開し、外国籍社員の積極採用を行ってきたから、仕事や成長に対するモチベーションはもちろんのこと、高度なITスキルを備えた方々への魅力付けもできているかと思います。

現に、当社を志望してくださる方たちは、応募の時点で「海外で活躍したい」「英語を使ったコミュニケーションでプロダクトを開発したい」といった明確かつ強い意欲を持っている方ばかりです。このように、グループ全体として優秀なメンバーがどんどん集まっていく好循環が生まれることも外国籍社員を採用するメリットだと思います。

 ―その逆に、苦労したことや大変だったことはありますか?

 最近ですと、一番はやはりコロナウイルスですかね。現在当社では、日本オフィスで外国人IT人材を採用する際、来日するかどうかについては、各国拠点人事担当者と連携を取りながら、本人の希望にできる限り沿えるようにサポートを行う体制で進めていますが、コロナ禍前はリモートワークを可能としながらも基本的には日本に来ることを前提として採用していました。そのため、ロックダウンや渡航制限などにより国境を越えられない状況になった時期は、採用活動や採用した外国籍メンバーの入社が一時的に滞ってしまったことが課題となりました。
しかし世界的なパンデミックが長引くことを予見した当社では、早い段階で働き方の再設計に取り掛かりどの国からでも働くことのできるチーム体制を作っていくことを決めました。具体的には、日本、タイ、インドのいずれかのタイムゾーンに沿って働くことを原則としながら、働く場所などについては個人の裁量に任せることにしました。その結果、先にもお伝えした通り、エンジニアの出身国は15ヶ国を超えるまでに増加しました。
未曾有の事態で苦心したこともありましたが、より柔軟な働き方を実現できたという意味で、コロナ禍というピンチをチャンスに変えることができた良い経験になったと思います。

またもう一つの課題としては、言語や異文化間のコミュニケーションが挙げられます。もちろん英語ネイティブもいますが、大半のメンバーは第二言語として英語を使っているので、意図が完璧に伝わるコミュニケーションを取ることは難しいです。
そこで、認識の食い違いや誤解が起きないようにするために、責任範囲」と「何を達成しなければならないか」を明確にするコミュニケーション取るよう意識することを呼びかけています。
例えば、口頭で伝える時は要点を絞る、複雑な内容であればすべてをドキュメント化するという風に、より理解しやすくかつ目に見える形で共有・確認を行っています。ただ、必ずしもすべてが思い通りに伝わるかというと、望む結果が得られない時もあります。ですが、当社が掲げる5つのバリュー「Be Open」「Be Bold」「Move Faster」「Stay Updated」「Achieve Together」を各自が体現しながら成長できればチームとして前進することができるという考えのもと、意思決定の権限と責任は思い切って各自に付与する体制を取ることで、メンバーの自立を促すように意識しています。

円滑なコミュニケーションを図るための徹底した言語化&
多様性から生まれるシナジー効果

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―外国籍社員の採用後に得られた効果や変化について教えてください。

 各メンバーが第二言語を介して意図を伝える難しさを理解しているからこそ、責任範囲と達成するべきことを明らかにし、何事についてもきちんと言語化して伝えるコミュニケーションが根づいていると思います。ですので、暗黙の了解のようなやりとりは良い意味で発生しませんし、何か疑問に感じることがある時も、確認を取りやすい環境が備わっていると思います。

また、日本人として当たり前に思っていることが他の国のメンバーからするとそうではないことも多くあります。それがアイデアの発見や新たなビジネスの芽につながったり、社内では日々さまざまなシナジー効果が生まれていると共に多様性を受け入れる文化が醸成されています。

―G Talentを導入いただいたご感想をお聞かせください。

実は、G Talentの担当コンサルタントの方とは、前職で外国籍人材の採用を担当していた頃からのご縁です。人材採用に至った背景やニーズを丁寧に汲み取ってくださり、求める人材像をしっかり把握した上で最適な人材を紹介してくださるので、大変心強い存在のため、当社の人材採用においても、ぜひお力添えいただきたいなと思いました。

G Talentは圧倒的に優秀な人材が多いことに加えて、外国人IT人材に特化した転職エージェントとして信頼性が高いと思います。実際、丹念なスクリーニングを行った状態でご紹介いただけるので、ミスマッチが起こることなく高い内定承諾率を実現することができています。

2021年から2022年にかけては、ML エンジニアとフロントデベロッパーの外国人人材をご紹介いただき、採用・入社に至りました。きめ細やかなサポートで採用活動を全面的にバックアップしてくださるので、ありがたいかぎりです。

国籍を問わず、適材適所を強化した組織づくりに注力していきたい

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―今後の展望についてお聞かせください。

今後はマネージャー層にも現在より多くの外国籍メンバーを選出する等の、国籍を問わず適性のある人材をより適したポジションに配置する組織づくりに力を注いでいきたいと考えています。この背景には、やはり言語の課題があります。特に日本オフィスのエンジニア部門においては、現状では日本人のマネージャーが多いため、経営陣の意思決定に基づき、日本語で認識のすり合わせを行った後、各チームリーダーに英語で伝える流れとなっています。そのため日本語話者に情報が偏らないようにするためにも、組織の変革を進めていきたいと思っています。

―最後に、外国人人材の採用を検討されている企業の方にメッセージをお願いします。

すでに社内にエンジニア組織がある中で、1人目の外国籍社員を採用する場合、「責任範囲を明確にして採用すること」がやはり一番重要だと思います。例えば、外部ツールとの連携などのサブドメインの開発を任せるというように、タスクが明確であれば、最小限のコミュニケーションであっても、採用時のスキルも合わせやすいと思います。

特に初めて採用する場合は、最初はスムーズに進まないこともあると思いますが、採用の段階で責任範囲を明確にしておくと、その後の認識のすり合わせを格段にやり易くなります。そして業務がうまく回るようになってきたら、日本人メンバーを含めた既存メンバーとの交流を段階的に増やし、少しずつ外国籍社員にも既存の日本人にも慣れていってもらいながら必要に応じて外国籍社員をさらに採用するという感じで、目指す体制に近づけていくのが良いと思います。

会社の規模が大きくなればなるほど、自社のカルチャーに対する認識は個人によってさまざまになり、ズレが生じやすくなるものだと思います。しかし、文化も言語も異なる人材に理解してもらい、さらに浸透させるためには、社内で改めて明文化する必要が出て来ると思います。そのタイミングで今一度、社内にカルチャーを浸透させ、会社の統一感を図ることができるかと思うので、直接的ではないですが、カルチャーの再浸透の機会となることもメリットになるかと思います。

外国人人材の採用は、焦らず着実に進めることで、国籍に関係なく一丸となった素晴らしいチームができると思うので、勇気を振りしぼって、ぜひ採用されてみることをおすすめします。

インタビューを終えて

国籍を問わず、適材適所なポジション配置ができる組織づくりに注力されているAnyMind Japan株式会社。組織の中長期的な成長のために、外国籍人材採用を検討している企業様は、ぜひ本記事をご参考いただければ幸いです。

G Talent/GitTapでは、企業様のグローバル人材採用をご支援しております。各サービスの詳細は、下記バナーからご覧いただけます。またエンジニア採用の悩み、グローバル採用のコツなどございましたら、お気軽にご相談ください。