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国籍に関わらず、
企業文化や価値観にマッチする、優秀な方と出会いたい。
―外国籍社員を採用するきっかけは何だったのでしょうか?
元々私たちは、国籍に関わらず、会社の文化や価値観にマッチする優秀な方に出会いたいという想いで採用活動を行ってきました。そのため、グローバルメンバーを採用するきっかけを意識的に設けたというよりは、採用に至ったメンバーの中にグローバルメンバーの方がいらっしゃったという形なんです。
現在、開発部門には社員とインターンを含めて、約40名のエンジニアメンバーが在籍しています。そのうち5名の社員がグローバルエンジニアメンバーで、日本に長く暮らしエンジニアに転身した方、日本で働くことを目指して来日した方など、バックグラウンドは様々です。
当社では、インターンメンバーも積極的に採用しており、自社で開催しているエンジニア向けBootcampで、突破率約2%の技術課題をクリアした大学生や大学院生が活躍中です。その中にも2名のグローバルメンバーが在籍しており、社員とインターンを合わせると、メンバーの出身国は、イギリス、フランス、ロシア、中国、インドネシア、韓国の6ヶ国となっています。
グローバルメンバーと共に働くことは、世界と繋がること。
社内がより明るい雰囲気に。
―貴社の事業内容について教えてください。
Baseconnectは「世界中のデータを繋げることで、ダイレクトに必要な情報にアクセスできる世界を作る」をパーパスに掲げ、2017年に京都で創業したスタートアップ企業です。
インターネットの検索や書籍などを通じて、欲しい情報を手軽に手に入れることができる今の時代は、一見便利になったようで、本当に探し求める情報の探し方が分からない、情報にたどり着くまでに時間がかかってしまうなど、情報格差が生まれているのも事実です。私たちはこのことを課題と捉え、「知る」体験を根本から変えていきたいと考えています。
本や検索に続く次世代の「知る」インターフェイスとして、世界中のデータをつなぎ合わせ、構造化して整理することで、「Knowledge Base(ナレッジベース)」を創造し、誰もが簡単に、安心して、知りたいことを直感的に、ダイレクトに知ることができる世界を作ることを目指しています。
その第一歩として、「Musubu(ムスブ)」というクラウド型の法人営業支援サービスを展開しています。日本国内で企業活動を行う140万件以上の企業情報(事業所を含む)を搭載したデータベースの中から、知りたい情報を簡単に、素早く、的確に収集できるこのサービスを通じて、営業活動の効率化を支援させていただいています。
―外国籍社員を採用するメリットはどんな点にありますか?
国籍で分けて考えることはないのですが、あえてメリットを挙げるとすると、チームの中によりオープンで明るい雰囲気が醸成されることだと思います。メンバーそれぞれの個性はもちろんありますが、母国を離れて日本にやって来て、この国で働くために異なる文化や環境に適応してきた方なので、オープンマインドな方が多いように感じます。
グローバルメンバーの前向きな姿勢に他のメンバーも助けられていると思いますし、多様なバックグラウンドを持つメンバーの考え方やカルチャーが入ってくることによって、互いに良い刺激を受けるだけでなく、違いを受け入れ、認め合う文化が育まれていると思います。
また、グローバルメンバーと一緒に働くことは世界と繋がることでもあるので「世界中のデータを繋げる」というビジョンに一つ近付いたようなワクワクするような感覚も芽生えているのではと思います。
お互いの強みを活かし合える文化が生まれてきたこと。
―その逆に、苦労したことや大変だったことはありますか?
現在、社内公用語は日本語なので、日本語が母国語でない方に対しては、採用の際にJLPT(日本語能力試験)のN2以上という一定の基準を設けています。しかし、私たちは言語はあくまでコミュニケーションを図るためのツールの一つと捉えています。
中には流暢な日本語を話し、日本人よりも的確に意図を汲み取ることのできる語学スキルを持ったメンバーもいますが、ツールとしての日本語スキルは人それぞれに違うので、その人に合わせた柔軟なアプローチを心がけています。
例えば日本語を母国語とするメンバー同士で話す場合、主語を省いたとしても相手の意図を理解することができますよね? でも、言語スキルの違いによっては、省略することで思わぬ誤解を招いてしまう可能性があります。そのため相手の日本語スキルに合わせて、こうしたことが起きないように、主語、動詞、目的語をきちんと意識して話すよう、心掛けています。
また、全社的なミーティングや開発部門全体のミーティングでは、情報量も多く、日本語特有の表現が多く含まれているので、必要に応じて、ミーティングが終わった後に個別に声掛けをするなど、サポートを行っています。
―外国籍社員の採用後に得られた効果や変化について教えてください。
社内で毎週、エンジニア同士が技術について話し合う技術ミーティングを開催しているのですが、入社して1ヶ月も経たないグローバルエンジニアメンバーが、積極的に発言し、新しい提案を行ってくれました。それに対して、既存メンバーからは、「良い刺激を受けた」「触発された」という声が多く挙がりました。
他にも自国の伝統的なパンを手作りして、オフィスに持って来てくれたことがあります。「良かったら、召し上がってください。ただし、アレルギーの方は、こちらをご覧になってくださいね!」と原材料のリストを付けてもてなしてくれました。アレルギーのことまで考えてくれる細やかな心配りにみんなが感動していました。お互いに異文化を楽しめるきっかけにもなりますし、そうして自らも進んでチームの中に入ってきてくれる積極性がとても素敵だなと思います。
また、イギリス出身のグローバルエンジニアメンバーは、英語の強みを活かして、英語の技術書が読み放題のサービスを見つけてきて、開発チームに導入し、チーム全体に貢献してくれました。この例に限らず、メンバーがそれぞれの強みを生かし合える文化が生まれてきているように思います。
―G Talent を導入いただいたご感想をお聞かせください。
2021年にはWebアプリケーション開発のグローバルエンジニアを2名、2022年にはインフラエンジニア1名をご紹介いただき、採用に至りました。GTalentのコンサルタントの方は、その採用プロセスを伴走しながら、課題が出てきた時には、共に悩み解決策を考えてくださるので、大変心強いですね。
候補者の方が当社について意思決定をする上で知りたい情報は何か、転職を通じてどのような未来を実現したいと考えているのかなど、私たちが知りたいことについても、先方との丁寧なコミュニケーションを通じてフィードバックをくださいました。コンサルタントの方と二人三脚で取り組めたからこそ、最適なマッチングが実現し、素晴らしいグローバルメンバーと出会うことができたと思っています。
今回ご入社いただいたメンバーの一人はフランスの出身です。母国ではすでにエンジニアとして活躍されていましたが、日本ではまだ就業経験がなく、応募の時点では日本語学校に通っていました。
他社様では日本での就業経験がないと採用が厳しい場合もあるそうですが、私たちが求めるスキルを十分にお持ちでしたし、技術課題も問題なくクリアされました。この方のパーソナリティが当社の文化にマッチしていたことも大きかったですね。ご本人も同じように感じてくれていたようです。
一つ大変だったことを挙げるとしたら、学生ビザから就労ビザへの切り替えでした。初めてのことで、何から手をつけていいのか分からなかったので、コンサルタントの方にすぐに相談しました。提携されている行政書士の方を紹介いただき、一緒になって申請に必要な書類を集めました。想像した以上に大変でしたが、メンバーと一緒にビザを申請するために、入国管理局まで行ったことは良い思い出です。
多様なメンバーが、楽しみながら、
最大限のパフォーマンスを発揮できる環境を整えていきたい。
―今後の展望についてお聞かせください。
「世界中のデータを繋げることで、ダイレクトに必要な情報にアクセスできる世界を作る」というパーパスを実現するためにも、グローバルメンバーの採用にはこれからも力を入れていきたいです。
今後の方向性については社内で話し合っているところですが、就業条件についてもできるだけ柔軟に対応していきたいと思っています。国を越えて、多様性に富むメンバーと共に、みんなで楽しみながら、最大限のパフォーマンスを発揮できるような環境を整えていけたら理想的だなと思います。
―最後に、外国籍人材の採用を検討されている企業の方にメッセージをお願いします。
採用とは、相互理解を深めることによって、人と人との繋がりを創造していくことではないかと思います。国籍に関わらず、一人一人が思い描くキャリアや人生に対して、会社側が提供できることや、求める役割がどこまでマッチするかということに、面接などを通じて、どれだけ丁寧に向き合えるかが大切だと思います。
初めてグローバルメンバーに入社いただく場合、言語の壁を心配されるケースが多いと聞きますが、お互いに理解し合おうというスタンスで臨めば、それほど大きな障壁は生まれないのではないでしょうか。