外国人エンジニアが日本企業の採用に応募する場合、自国での就職活動とは異なる資格や申請方法が必要です。スムーズに採用をもらうためにも、外国人エンジニアが日本で採用をゲットするために必要な資格や申請方法を知っておきましょう。
今回は、外国人エンジニアが日本企業での採用に必要な在留資格や申請方法、注意点や日本企業で採用される外国人エンジニアの種類について解説していきます。日本で採用をもらいたい外国人エンジニアの方は、外国人エンジニアに特化した転職エージェントの『G Talent 』を活用することで採用のチャンスが広がります。
Contents
外国人エンジニアが日本企業での採用に必要な在留資格
外国人エンジニアが日本企業で採用をもらうために取得できる在留資格には、以下の4種類が挙げられます。
- 高度専門職
- 技術・人文知識・国際業務
- 特定活動
- 地位又は身分に基づく在留資格
それぞれの在留資格の特徴を見ていきましょう。
日本企業の採用に必要な在留資格①|高度専門職
高度専門職とは、外国から優秀な人材を採用するための在留資格です。日本で働くさまざま職種が認められており、エンジニアとしての就労もできます。
高度専門職のビザ取得の審査基準には、「高度人材ポイント制度」が導入されています。学歴や職歴、大学などでの研究実績、年収やその他ボーナスなどが審査の基準に採用されており、ポイントが70を超えるとビザの取得が可能です。
有名大学や大学院出身、JLPT N1を取得している、年収が400万円を超えているなどの条件を満たすと、高度人材の対象になる可能性が高くなります。
参考:外国人エンジニアを採用するときに必要な在留資格の条件・申請方法/jopus biz
日本企業の採用に必要な在留資格②|技術・人文知識・国際業務
外国人エンジニアの場合、技術・人文知識・国際業務の在留資格のうち、技術の要件を満たせばエンジニアとして就労できます。技術の在留資格取得をするためには、就労する外国人に対する条件に加えて、外国人労働者を受け入れる企業にも条件が設けられています。それぞれの条件について詳しく解説します。
「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得する条件
技術・人文知識・国際業務の在留資格のうち技術の要件を満たすためには、「10年以上の実務経験があること」か「従事する職務内容と関連した科目を大学や専門学校で専攻していたこと」のうち、いずれかの条件をクリアしなければいけません。
しかし、法務省が定める情報処理技術に関する試験に合格している場合には、学歴や職歴の要件が免除されることもあります。自国で実施されているITに関する試験のうち、該当するものを取得しておくとビザ取得に役立ちます。
法務省が定める情報処理技術に関する試験の項目は、法務省のWebサイトで確認ができます。例えば、ベトナム人エンジニアが日本で採用もをもらうために「技術」の在留資格を取得するには、以下の資格が法務省で認められています。
- ハイテクインキュベーショントレーニングセンター(HITC)が実施する試験のうち次に掲げるもの
(1) 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験
(2) 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験 - ベトナム情報技術試験訓練支援センター又はベトナム訓練試験センターが実施した試験のうち次に掲げるもの
(1) 基本情報技術者(ファンダメンタル・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験
(2) ソフトウェア開発技術者(ソフトウェア・デザイン・アンド・ディベロップメント・エンジニア)試験
(3) 応用情報技術者(アプライド・インフォメーション・テクノロジー・エンジニア)試験
また、採用する企業側にも「職務内容の専門性と関連性」、「日本人と同等以上の報酬」、「事業の安定・継続性」といった3つの条件が必要です。これら全ての条件を満たすことで、外国人エンジニアの受け入れが可能になります。
参考:入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令の技術・人文知識・国際業務の在留資格に係る基準の特例を定める件/出入国在留管理庁
日本企業の採用に必要な在留資格③|特定活動
特定活動とは、ほかの在留資格に該当しない特定の活動を行う外国人が取得できる就労ビザです。たとえば、ワーキングホリデーや学校を卒業後に就職活動をしている学生、インターンシップで来日中の学生、高度専門職外国人の就労する配偶者、外交官の家事使用人などが該当します。
ただし特定活動は半年や1年間の短期滞在用ビザのため、長期で働くためには技術・人文知識・国際業務の在留資格に切り替えるといった対応が必要です。
日本企業の採用に必要な在留資格④|地位又は身分に基づく在留資格
永住権、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者の4種類の在留資格があれば、就労に制限がありません。日本人と同じように働くことができるため、在留資格の申請は不要になります。
参考:「就労に制限のある在留資格」と「就労に制限のない在留資格」/行政書士・社会保険労務士永井弘行事務所
外国人エンジニア採用に応募するために在留資格を申請する方法
外国人エンジニア採用に応募するための在留資格申請をスムーズに進めるために、以下の手順を知っておきましょう。
- 必要書類
- 手続きの流れ
それぞれの内容について詳しく解説していきます。
必要書類
日本で就労できるビザの取得要件を満たしていれば、出入国管理庁に提出する書類を準備しましょう。外国人本人は、卒業証明書・履歴書・パスポートなどの準備が必要です。
準備が必要な書類が多いため、余裕を持って作成することが大切です。就労ビザについて悩みや困りごとがある方は、費用は発生しますが行政書士に相談することもできます。
受け入れる企業側も、書類の準備が必要です。企業が準備する書類は企業の規模によって異なり、会社の規模が小さくなるにつれて準備する資料が増えます。
必要書類の詳細は、法務省のWebサイトで確認ができます。申請するビザによって書類が異なるため、自分の経歴で申請が通りそうな在留資格(高度専門職、又は技術・人文知識・国際業務等)に必要な書類を確認しておきましょう。
参考:【2021年版】 図で分かる就労ビザの必須書類一式/jopus biz
手続きの流れ
ビザの取得には、書類の準備から申請まで2週間〜1ヶ月の期間が必要です。審査結果が出るまでは、約1〜2ヶ月かかります。
在留資格の取得申請やビザを変更しなければならない場合は、上記の在留資格申請期間を加味して入社までの期間を見積もっておきましょう。内定から入社までは、およそ2〜3ヶ月程度の期間が見込まれます。
参考:外国人採用するなら知っておくべき就労ビザ取得期間 ビザ申請が間に合わないと国外退去になってしまうの?/Guidable Jobs
外国人エンジニアが在留資格を申請する際の注意点
外国人エンジニアが在留資格を申請する際は、3つのポイントに注意しましょう。
- 実際の業務内容が在留資格と異なった場合は不法就労となる
- 審査に時間がかかる場合がある
- 学歴・実務経験の代わりとして情報処理技術の資格を取得する方法もある
実際の業務内容が在留資格と異なった場合は不法就労となる
エンジニアとして入社しても、実際の業務が在留資格の内容と異なるものであれば不法就労とみなされてしまいます。採用前に、業務内容は必ず確認するようにしましょう。
たとえば、エンジニアとして採用されたにも関わらず実際の業務が一般事務だったといった場合は、不法就労にあたります。
参考:外国人エンジニアに必要な在留資格や就労可能な職種の種類、注意点[グローバルエンジニア2]/Fellowship
審査に時間がかかる場合がある
就労ビザの申請から審査終了までには、時間がかかる場合があります。エンジニアとして採用されてから入社日までに在留資格が間に合わないことがないように、あらかじめ期間を長めに見積もっておきましょう。
採用確定から入社までは、およそ2〜3ヶ月のゆとりを持ってビザの申請を行うことをおすすめします。
参考:就労ビザの審査期間はどのくらい?/外国人雇用&就労ビザ相談センター
学歴・実務経験の代わりとして情報処理技術の資格を取得する方法もある
技術・人文知識・国際業務の在留資格取得のためには、「10年以上の実務経験があること」か「従事する職務内容と関連した科目を大学や専門学校で専攻していたこと」条件が必要です。しかし、実務経験や学校での専攻がなくても、法務省が定めた情報技術に関する試験を取得することで要件が免除となる場合があります。
未経験からエンジニアとして日本で働きたいと考えている外国人エンジニアは、資格試験の取得を目指して勉強することで日本での就労が可能となるかもしれません。
日本企業で採用がある外国人エンジニアの職種
エンジニアといっても、さまざまな種類があります。日本で採用実績がある外国人エンジニアの職種には、以下の種類が挙げられます。
- プログラマー
- ソフトウェアエンジニア
- システムエンジニア(SE)
- セキュリティエンジニア
- ITコンサルタント
- プロジェクトリーダー
- プロジェクトマネージャー
プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアやプロジェクトマネージャー、プロジェクトリーダー等の上流工程を担うエンジニアが作成した仕様書に基づき、ソフトウェアやシステムのプログラミングを行う職種です。
プログラムの不備を調整したり、バグを発見・修正したりと、自分で調べて解決する力や集中力が求められます。
参考:プログラマーとは?なり方や仕事内容、将来性を紹介/デジタルハリウッド大学
ソフトウェアエンジニア
ソフトウェアエンジニアは、PCやスマートフォンのアプリケーション、家電や公共交通機関を制御するアプリケーションなどさまざまなソフトウェアの開発を行う職種です。開発・設計・ソフトウェアの運用保守、テストなどの業務があります。
開発環境やプログラミングの知識・技術があると同時に、顧客やチームとのコミュニケーション力が必要になる職種です。
参考:ソフトウェアエンジニアになるには?必要なスキルや年収を紹介/HiPro Tech
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアは、システム開発の要件定義や設計、テストなどを行う仕事です。要件定義や仕様書の作成のみを行い、実際のプログラミングはプログラマーに任せる場合もあります。関係者とのコミュニケーション力が必要になる仕事です。
システム開発を受注する企業で就労する場合もあれば、社内SEとして企業内で必要になるシステムの開発や設計、運用、保守をする就業先など働き方は企業によって異なります。
参考:SE(システムエンジニア)とは?SEの仕事内容と年収/IT業界まるわかりガイド
セキュリティエンジニア
サーバーやインフラ、情報セキュリティに関する業務を行うエンジニアです。サイバー攻撃からシステムを守るための設計や開発を行います。
セキュリティに関する情報をいち早くキャッチし、進化するサイバー攻撃に対応していく情報感度の高さが必要になる業務です。
ITコンサルタント
ITコンサルタントは、顧客の企業のIT分野全般に関するアドバイスやシステム開発・改善の提案、導入支援をするコンサルタントです。
IT分野に課題を抱えている顧客を対象とし、IT技術による問題解決を提案します。問題の原因を特定し、適切なソリューションの提案や開発を行える思考力と提案力が求められます。
参考:【需要増加】ITコンサルタントとは!?具体的な仕事内容や年収、有利な資格まで網羅的に解説!!/Executive Link
プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダーは、プロジェクトマネージャーの管理のもとでプロジェクト全体のうちの1部門のリーダーとして開発の進捗や、品質管理、開発メンバーの管理を行う業務です。プロジェクトリーダーとして就労することで、プロジェクトマネージャーに昇格する道がひらけます。
参考:プロジェクトリーダーとは?仕事内容や必要なスキル、おすすめ資格を紹介/株式会社システムインテグレータ
プロジェクトマネージャー
プロジェクト全体の管理者として、予算やスケジュール、プロダクトの品質管理、チームメンバーの管理などさまざまな業務を行います。システムエンジニアやプログラマー、ソフトウェアエンジニアが経験を積むことでプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーに昇格します。
日本で働きたい外国人エンジニアは『G Talent』で採用をゲットしよう
この記事では、外国人エンジニア採用に応募するために必要な資格・申請方法について解説しました。日本でエンジニアとして就労できる在留資格には「高度専門職」や「技術・人文知識・国際業務」が代表的です。
必要書類や手続きの流れ、注意点を確認し、申請をスムーズに進めましょう。外国人エンジニアが日本で就労できる職種にはさまざまなものがあります。必要な在留資格を取得して、日本でのキャリア形成に挑戦してみてください。
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