海外と日本では、同職種であっても給与に違いが出ることがあります。海外から日本へ就職を考えている方にとっては、慣れない国で生活をするためにはそれなりの給与は欲しいものです。では、実際に同職種の給与にはどれくらいの違いがあるのでしょうか。
今回は、海外と日本の同職種の給与の具体的な違いや違いが生まれる理由、日本で安定的な給与を得るためのポイントなどについて解説していきます。給与だけでなく支出についても解説するので、日本で暮らす予定の方はぜひ参考にしてください。
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海外と日本、同職種の給与はどれほど違いがある?
海外と日本では、同職種でも給与に違いが出ることがあります。国ごとにシェアを伸ばしている企業が異なるため、それぞれの地域で大きく違いが出ることもあるでしょう。ここからは、海外と日本の平均給与を業種別に比較します。
同職種の給与の違い|日本vsアメリカ
アメリカは毎年発表されるGDPランキングで常に1位を獲得する国であり、日本でも馴染みのあるサービスを展開している企業がたくさん存在します。そんなアメリカと日本の同職種の給与の違いは以下のとおりです。
【職業別の平均給与】
職業 | アメリカ | 日本 |
IT | 1,000~1,200万円 | 436万円 |
コンサルティング | 1,800~1,900万円 | 585万円 |
金融 | 960万円 | 454万円 |
メーカー | 790万円 | 453万円 |
IT業界では、同職種でありながら日本の2倍以上も給与に違いがあります。アメリカにはGAFAなどの超大手企業が集中しているため、IT業界の給与が高いことが推測できます。IT以外の業界も日本の1.5〜3倍程度の給与の違いがあり、全体的にアメリカの方が給与は高いです。
参考:海外のエンジニアの年収は?年収を増やす方法を解説/TECHのススメ
同職種の給与の違い|日本vsイギリス
イギリスと日本の同職種の給与の違いは、以下のとおりです。
【職業別の平均給与】
職業 | イギリス | 日本 |
IT | 480万円 | 436万円 |
コンサルティング | 373万円 | 585万円 |
金融 | 850万円 | 454万円 |
メーカー | 328万円 | 453万円 |
アメリカと比較すると、全体的に給与は低めに設定されています。日本と比較するとIT・金融業界では日本が劣りますが、メーカーやコンサルティングでは日本がやや高給になっています。
参考:あの職業は年収いくら?英国の給与事情/COSMOPOLITAN
同職種の給与の違い|日本vs中国
世界で最も人口の多い中国は、日本と比較すると物価の安い国です。しかし、近年の中国は比較的日本よりも給与が高いことがわかります。
【職業別の平均給与】
職業 | 中国 | 日本 |
IT | 1,400万円 | 436万円 |
コンサルティング | 1,100万円 | 585万円 |
金融 | 480万円 | 454万円 |
メーカー | 487万円 | 453万円 |
IT・コンサルティング業界では、日本よりも高い給与が設定されています。多くの大手IT企業があるアメリカよりも高い給与の企業もあり、企業によっても給与の幅が広いのが特徴です。
なぜ海外と日本では同職種でも給与が大きく違いが出るのか
海外と日本では同職種であるにもかかわらず、なぜ給与に違いが出るのでしょうか。同職種でも海外と日本で給与に大きな違いが出る原因には、以下の3つが挙げられます。
- 物価の違い
- 大企業の存在
- 投資意欲の大きさ
同職種で給与に違いが生まれる理由①|物価の違い
日本でも地域によって最低賃金が異なるようにそれぞれの国では物価が異なり、物価が高い地域ほどそれに伴い給与も高くなる傾向にあります。そのため、日本と比較すると給与が高いように見えても、家賃や食料品など生活に必須な支出を考慮すると、日本での生活水準とさほど変わらないこともあるでしょう。
同職種で給与に違いが生まれる理由②|大企業の存在
海外では世界中でシェアされるほどの大企業がいくつもあり、企業の業績も好調です。それらの大企業がより企業を成長させるためには、優秀な人材を獲得する必要があります。優秀な人材を他企業から引き抜くために高い給与を支払い、その結果として業界全体の給与が引き上げられていると考えられます。
参考:アメリカ巨大IT企業の給料がケタ違いに高い理由/東洋経済オンライン
同職種で給与に違いが生まれる理由③|投資意欲の大きさ
欧米での評価制度は、人物よりも業績や貢献度に重点を置いた「成果主義」が主流です。社員が持つスキルや能力、人柄よりも、企業にどれだけ貢献したかを重視する傾向にあります。そのため、企業への貢献度が高いほどリターンも大きくなり、業績を伸ばしたい企業も貢献度の高い人材への投資を惜しみません。
海外と日本の同職種の給与を比較するうえでの注意点
海外と日本の給与を比較する際に、単に給与だけを見てしまうと良いチャンスを逃してしまうかもしれません。同職種であれば特に給与の違いが気になりますが、違った視点からしっかり比較することが大切です。海外と日本の同職種の給与を比較するうえで、注意したいポイントは以下の2つです。
- 海外から日本に来たら必ず給与が下がるわけではない
- 給与が下がっても生活レベルまでもが下がるとは限らない
海外から日本に来たら必ず給与が下がるわけではない
海外と日本の同職種の給与を比較すると日本の給与がやや低い傾向にありますが、すべての職種で必ず給与が下がるわけではありません。
企業によっては海外より給与が高い企業もあり、これまでのキャリアやスキルを考慮して海外での生活水準と変わらない条件で働けることもあります。キャリアやスキルが高いほど、条件の良い同職種の求人への転職成功率が上がったり条件交渉がスムーズに進んだりするでしょう。
参考:年収を上げる方法9選!転職しない場合とする場合に分けて、年収を上げるコツを紹介します!/Geekly Media
日本に来て給与が下がっても生活レベルまでもが下がるとは限らない
海外と日本の同職種の給与を比較すると、日本での年収が下がる可能性は高いです。しかし、物価や家賃などを考慮すると給与が下がっても生活レベルまで下がるとは限りません。生活を拠点にする地域によっては、海外の給与には及ばずとも豊かな生活が送れることもあるでしょう。その理由には、海外と日本の物価の違いが挙げられます。
海外と日本の物価の違い
いくら給与が高くても、物価が高いと快適な生活を送ることができません。日本と海外主要国の、財やサービスの変動を示す指標である消費者物価指数の違いは以下のとおりです。
【主要国の消費者物価指数】
2022年 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
日本 | 2.4% | 2.6% | 3.0% | 3.0% | 3.7% |
アメリカ | 9.1% | 8.5% | 8.3% | 8.2% | 7.7% |
イギリス | 9.4% | 10.1% | 9.9% | 10.1% | - |
中国 | 2.5% | 2.7% | 2.5% | 2.8% | 2.1% |
参考:消費者物価指数 / 2020年基準消費者物価指数 / 月報/e-Stat
日本よりも給与が高いアメリカやイギリスの消費者物価指数を見ると、日本よりも物価上昇率が高いことがわかります。給与が高いぶん物価も高いため、日本で働いても生活レベルは下がりにくいと言えます。
海外と日本の家賃の比較
どの国でも地域別で家賃が異なるように、海外と日本でも家賃に大きな違いがあります。家賃は毎月の支出の大部分を占めるため、家賃によって生活の豊かさが変わることもあるでしょう。
70㎡の家を借りると想定し、世界の家賃相場をランキング形式で紹介します。
- シンガポール 25万3190円
- ロンドン 19万4110円
- ニューヨーク 17万9690円
- 香港 17万940円
- 東京 15万10円
日本も家賃相場のランキングには含まれていますが、東京都内であっても家賃が10万円を下回る地域は多くあります。生活レベルを下げないようにするには、毎月かかる家賃をできるだけ抑えることが大切です。
参考:日本の家賃は世界で何位? 世界の家賃相場をわかりやすく「図」で比較!/楽待
日本で安定した給与を得るために必要なこと
日本は世界で見ると比較的給与が安く設定されている国であるため、同職種の給与は下がる可能性が高いです。そうした理由からなかなか日本での就職に踏み出せない方も多いのではないでしょうか。しかし、給与だけがネックとなり日本での仕事を諦めるのはもったいないかもしれません。
日本で安定した同職種の給与を得るためには、以下の5つのポイントを意識しましょう。
- 給与が比較的高いグローバル企業を選ぶ
- 仕事に活かせるスキルを磨く
- 資格取得を目指す
- 語学力を高める
- 日本でキャリアを積む
給与が比較的高いグローバル企業を選ぶ
グローバル企業は成果主義を採用しているところが多いため、日系企業と比較すると平均給与が高い企業が多いです。さらに海外に展開しているグローバル企業は、常に優秀な人材を求めています。優秀な人材を確保するためにも、給与を高く設定している企業も多く見られます。
グローバル企業に絞って転職先を見つけるのが難しい場合は、グローバル企業に特化した転職サービスの利用がおすすめです。日本での転職活動が初めての方は、ビザ取得や選考活動などもサポートしてくれる転職エージェントの利用を検討しましょう。
参考:外資系企業の年収は日系企業の約2倍!その理由を徹底解説/35ish
仕事に活かせるスキルを磨く
日本で安定した収入を得るためには、専門性を高めたり時代に沿った知識・スキルを磨いたりすることも大切です。現状に満足せず、常に学び続ける姿勢を忘れてはなりません。
希少性の高い人材になることで、より高いポジションへの昇格にもつながるでしょう。得意な分野であれば吸収するスピードが速いため、より効率的に専門性を高められるかもしれません。
参考:100万人超の職歴分析で判明「年収が高くなる人」のスキル20選/JOB PICKS
資格取得を目指す
知識やスキルで他人と違いをつけるだけでなく、仕事と関連の高い資格を取得することも安定した収入を得るためのポイントです。ただし、誰でも取得できるような資格ではあまり意味がありません。
他の人が目を向けていない分野や難易度の高い資格など、他の人と異なる視点を持って違いをつけられると良いでしょう。日本国内での民間資格でも、仕事に活かせるものがあれば勉強する価値があります。
参考:【今が狙い目】学歴不問で年収アップに効く「スゴい資格」ベスト1/ DIAMOND online
語学力を高める
企業が大きくなるほど平均年収が上がり安定した収入を得られやすくなりますが、会社が大きいほど語学力が必要になります。特に、海外とのやり取りが多い企業では語学力が高いほど評価されるため、そのまま収入に反映されることも珍しくありません。基本的な英語に加え、関連の高い語学を学んでおくと重宝されるでしょう。
また、社内では日本語でやり取りされる機会が多くなります。スムーズに受け答えができるよう、日本語の実力も十分につけておくと安心でしょう。
参考:大卒外国人の採用、「高い日本語力」要求が壁に/日本経済新聞
日本でキャリアを積む
日本で収入を安定させるためには、日本でのキャリアがないと難しいこともあるでしょう。生活に不自由のない範囲で就職先を決め、チャンスが巡ってくるまでは日本でキャリアを積みながら生活をするのもひとつの手段です。
これまでに培ったノウハウを活かし即戦力となるような高い専門性があれば、希望する企業・条件で働けるようになる可能性が高いです。まずは焦らずじっくり自分の経験を積むことが、日本での収入を安定させる近道かもしれません。
海外と日本は同職種でも給与に違いが生まれることがある
海外と日本では、今回紹介した3つの理由から同じ職業であっても給与に違いが出ることがあります。しかし、海外は日本よりも給与が高いぶん物価などの支出が高いケースが多いため、日本で給与が下がっても生活レベルまで下がるとは限りません。給与などの条件だけに目を向けるのではなく、広い視野を持つことが大切です。
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