日本でのビザ(在留資格)が失効したらどうなる?再取得方法も紹介

日本に住んでいる外国人のビザが失効した場合、警察や入国管理局からの通告を無視したり逃げたりすると逮捕や強制送還といった重い刑罰に処されます。そのため、ビザを取得したら失効する前に更新を行うことが大切です。ただし、ビザが失効しても、すぐに再発行の申請をすれば再取得できる可能性はあります。今回は、日本でビザが失効したらどうなるかだけでなく、失効後に再取得する方法も解説していきます。

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ビザ(在留資格)の期限を過ぎたまま日本にいるとどうなる?

並べられたカレンダー

ビザ(在留資格)の有効期限が過ぎているにも関わらず日本に滞在し続けた場合、不法滞在(オーバーステイ)とみなされます。不法滞在は重大な犯罪行為ですので、ビザが失効する前に帰国できない場合は更新手続きが必要です。

ただし、永住者には在留期限がないため、期限が切れても不法滞在にはなりません。しかし、永住者にも在留カードの更新が義務付けられているので、期限内に忘れず手続きを行いましょう。更新し忘れた場合、1年以下の懲役または20万円以下の罰金刑が処されますので、注意してください。

参考:永住者で在留カードの期限が近い方へ/東京ビザ申請サポート

【注意】1日でも在留期間を過ぎると不法滞在(オーバーステイ)扱い

日本ではビザの有効期限が1日でも在留期間を過ぎると、不法滞在とみなされ罰せられます。中には「数日くらい大丈夫だろう」と思われる方もいらっしゃいますが、日本の入国管理局や警察は常に不法滞者の所在を調査しているので、オーバーステイになると必ず摘発・逮捕されることを覚えておきましょう。

ただし、ビザの失効から2ヶ月以内であれば、最寄りの出入国在留管理局へ自ら出頭すると、ビザ申請に許可が出る可能性が高いです。

参考:オーバーステイ・不法滞在についてよくある質問です/外国人在留資格ビザセンター

不法滞在(オーバーステイ)で逮捕された場合の罰則

手錠をかけられる様子

ビザが失効した状態で日本にオーバーステイし続けたことが警察や入国管理官の調査によって発覚すると、その場で警察官に逮捕され、以下の罰則が科せられます。

<オーバーステイで逮捕された場合の罰則>

  • 強制送還
  • 3年以下の懲役・禁固刑、もしくは300万円以下の罰金

また、ビザを失効したまま日本で働き続けた場合、対象の外国人を採用している雇い主側にも以下の罰則が科されるので、要注意です。

<オーバーステイをしている外国人の雇い主に対する罰則>

  • 3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金

逮捕されてしまうと、10日~20日間の長い勾留期間中に、日本へ来た時期や目的、ビザが失効している間に働いていた場所や住居などを詳しく調査されます。その後、多くの場合は「退去強制処分」という厳しい処分が下され、入国管理局へ収容されたのち、居住国へ強制送還されます。強制送還された場合、5年間(強制送還が2回目の場合は10年)は日本へ再上陸できません。

参考:ビザ(在留資格)の期限が切れていたときの対処方法/みなとまち行政書士事務所

【補足】海外にいる間にビザの期限が切れてしまったケース

日本大使館の外観

海外で過ごしている間に日本のビザが失効してしまった場合、在留期限から2ヶ月以内であれば、そのまま日本へ再入国許可をもらえる可能性が高いです。海外の日本大使館では在留期間の更新を申請できませんので、日本国外でビザの失効に気付いた方は、速やかに帰国し、居住地を管轄する「地方出入国在留管理局」で更新を申請しましょう。

ただし、在留期限から2ヶ月以上経過してしまった場合は、「在留資格認定証明書交付申請」という手続きを行い、ビザを再取得しなければ日本へ再入国できません。在留資格認定証明書交付申請は、通常のビザ更新より審査に時間がかるうえ、多くの提出書類が必要です。

<在留資格認定証明書交付申請で必要な書類(日本から海外へ企業内転勤を行う場合)>

  • 在留資格認定証明書交付申請書 1通
  • 証明写真 1枚
  • 簡易書留用の切手(404円)を貼った返信用封筒 1通
  • 「所属機関」に在籍していることを証明する書類

煩雑な手続きを避けるためにも、日本滞在中に海外へ行かれる外国人の方は、日本ビザの有効期限を十分把握しておきましょう。

参考:在留期限が過ぎた場合、ビザの再取得できますか?/つくばワールド行政書士事務所

就労系ビザを再取得するまでのフロー

ビザを記入する様子

日本の就労系ビザは大きく分けて19種類あり、それぞれ有効期限が以下のように決められています。

【日本の就労系ビザの有効期限】

就労系ビザの種類ビザの取得に該当する人有効期限
外交ビザ外国政府の大使・公使・総領事・代表団構成員など、およびその家族外交活動を行う期間
公用ビザ外国政府の大使館や領事館の職員・国際機関などからの公務で派遣された人、およびその家族5年・3年・1年・3月・30日または15日
教授ビザ大学教授・准教授・講師・助手など5年・3年・1年・3月・4月(経営・管理のみ)
芸術ビザ作曲家・作詞家・画家・彫刻家・工芸家・写真家など
宗教ビザ僧侶・司教・宣教師などの宗教家
報道ビザ新聞記者・雑誌記者・編集者・報道カメラマン・アナウンサーなど
経営・管理ビザ会社経営者・管理者など
法律・会計業務ビザ行政書士・弁護士・司法書士・公認会計士・税理士・社会保険労務士など
医療ビザ医師・歯科医師・薬剤師・看護師・准看護師・保健師・助産師・歯科衛生士・診療放射線技師・理学療法士・作業療法士・視能訓練士・作業療法士・臨床工学技士・理学療法士・義肢装具士など
研究ビザ政府関係機関や企業に勤める研究者
教育ビザ小学校・中学校・高校などの語学講師
介護ビザ介護福祉士の資格を持つ介護士など
技術・人文知識・国際業務ビザ機械工学などの技術者・設計者・企画・財務・マーケティング・営業・通訳/翻訳・語学学校の講師・海外取引業務・服飾デザイナーなど
企業内転勤ビザ外国の親会社や子会社、孫会社、関連会社にあたる事業所から一時的に派遣される転勤者5年・3年・1年・3月
技能ビザ外国料理の調理師・貴金属加工職人・パイロット・海外特有の技術を持つ建築士/土木技師・海外製品の修理技能士・調教師・スポーツ指導者・ソムリエなど
興行ビザ歌手・ダンサー・俳優・ファッションモデル・プロスポーツ選手・サーカスの動物飼育員・スポーツ選手のトレーナー・振付師・演出家など3年・1年・6月・3月・15日間
特定技能ビザ【特定技能1号】
介護・ビルクリーニング・素形材産業・産業機械製造業・電気/電子情報関連産業など、特定の14分野において就労資格を得たい人【特定技能2号】
建設および造船/舶用工業分野で熟練技能を要する業務従事者
【特定技能1号】
1年・6月・4月【特定技能2号】
3年・1年・6月
技能実習ビザ海外の子会社などから受け入れる技能実習生・監理団体を通じて受け入れる技能実習生など1年・6月

ビザの有効期限は、パスポートに貼られている証印シールか、在留カードから確認できますので、忘れた場合はこれらの書類からチェックをしてみましょう。各就労系ビザを取得した際に設定した有効期限内でビザを更新できなかった場合は、以下のフローでビザを再取得してください。

参考:就労や長期滞在を目的とする場合/外務省

就労系ビザを再取得するフロー

就労系のビザを申請するフローは以下の2ステップです。

  1. 出入国在留管理局に迅速に連絡
  2. 出入国在留管理局に出頭

 

就労系ビザの申請フロー①|出入国在留管理局に迅速に連絡

ビザの項目を入力する様子

ビザが失効していることに気が付いたら、速やかに居住地を管轄している「出入国在留管理局」へ連絡しましょう。出入国在留管理局の連絡先は、「出入国在留管理庁のホームページ」にアクセスすると、居住地別に確認できます。

出入国在留管理局に連絡をしたらビザが失効していることに今気が付いてしまった旨を説明し、出頭するために必要な書類やこれから何をすれば良いのかなどの指示を仰いでください。このとき、日本で就労の意思がある場合は、出国の意思がないことや日本で仕事を続けたいことを職員の方に必ず伝えましょう

伝えなかった場合、オーバーステイをした方が身柄を収容されずに帰国できる、「出国命令」のための出頭だと思われてしまいます。出国命令による出頭だと捉えられた場合、出国手続きが取られ今後1年間は日本に入国できなくなるため注意しましょう。

参考:ビザの更新,期限が切れたら?!更新の申請の特例/弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所

就労系ビザの申請フロー②|出入国在留管理局に出頭

出入国在留管理局の外観

該当の日時になったら、居住地を管轄している出入国在留管理局に出頭しましょう。可能であれば、日本人職場の人や配偶者などに同行してもらうと安心です。出入国在留管理局に出頭する際は、以下の書類を提出しなければなりません。手元にある書類だけでなく市役所で発行が必要な書類もありますので、事前に準備しておきましょう。

  • パスポート
  •  在職証明書
  • 期限切れの在留カード
  •  申請理由書(ビザの更新を忘れた理由や経緯、反省などを記した文章)
  • 市役所で発行した直近の住民税課税証明書
  •  市役所で発行した直近の住民税納税証明書

参考:在特出頭の“必要書類”は?/外国人助太刀倶楽部

【補足】再取得できないケースもある

必要書類を提出しても、以下に当てはまる場合は就労系ビザを再取得できない可能性があります。

  • 現在行っている仕事が在留資格の範囲外な場合
  • 与えられた在留資格の活動から勝手に内容を変更している場合
  • 在留資格の範囲を超えて活動している場合
  • 素行不良(刑事処分を受けた経験がある・不法就労を斡旋しているなど)

就労ビザをスムーズに再取得したいのであれば、上記に当てはまらないよう日本のルールに従って過ごしましょう。

参考:就労ビザの更新で不許可になるケースと対処方法/TOMAコンサルタンツグループ

日本でのビザが失効した際にやってはいけないこと

警察官と話す男性

日本でビザが失効した場合、以下の行動は絶対に行ってはいけません。

  • 警察や入国管理官の呼び出しから逃げる
  •  国外へ逃亡する
  •  ビザが失効していることを知りながら放置する

ビザの失効を知りながら逃亡や放置をすると、強制送還や逮捕といった重い刑罰に処されます。速やかに出入国在留管理局へ連絡をすればビザを再発行してもらえる可能性があるので、期限切れに気付いた場合は「就労系ビザを再取得するまでのフロー」を参考に必要な手続きを行いましょう。

参考:違反行為 絶対にやってはいけない 10のポイント/立命館アジア太平洋大学

日本でのビザの期間をしっかり把握して失効しないように注意しよう

パソコンを使っている男性

外国人の方が日本へ仕事をするために来日する場合は、仕事内容によって19種の就労系ビザからもっとも自分に合うビザを取得する必要があります。ただし、就労系ビザは種類によって在留期間が異なるため、自分が何年間日本に滞在できるのか把握しておくことが重要です。

ビザの更新に間に合わず失効してしまった場合は、速やかに最寄りの出入国在留管理局へ連絡をすると、再取得できる可能性があります。逃げたり放置したりすると、逮捕や強制送還といった重い刑罰に処されますので、期限切れには十分注意をしてください。

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