日本における外国人の働きやすさは?現状とこれからの展望を解説
日本は諸外国と比べると異なる文化が多いため、外国人にとっては働きにくい環境かもしれません。しかし、近年日本で働く外国人は増加しており、自国よりも働きやすさを感じる外国人がいるのも事実です。そこでこの記事では、日本における外国人雇用の現状や外国人が働きやすさを感じる点、外国人雇用者にとってのこれからの展望などについて解説していきます。外国人が日本企業に抱きやすいメリットやデメリット、外国人が働きやすい日本企業の特徴などと併せてご確認ください。日本で働きやすさを重視した仕事を探したい方は、ハイキャリアの外国籍エージェントのための転職エージェントである『G Talent』をご利用ください。日本における外国人雇用の現状まずは、日本における外国人雇用の現状を3つのポイントにまとめました。外国人の需要は高まっている日本における外国人の雇用状況新たな在留資格「特定技能雇用」について外国人の需要は高まっている日本では少子高齢化が進み労働人口が減少しているため、日本企業での外国人雇用の需要は高まっています。特にIT業界に関しては、DX推進によりエンジニアなどの需要が急増していますが日本人のIT系人材は減少しています。外国人は日本人に比べるとITに明るい人が多く、さまざまな企業で評価されやすい状態です。参考:日本のIT人材不足の実態とは?/SMS DataTech日本における外国人の雇用状況厚生労働省が発表した外国人雇用状況によると、2019年度の外国人労働者数は約166万人でした。これは届出義務化以降の最大数で、2009年の約56万人から10年で約3倍にまで増加しています。今後日本の労働人口の低下に伴い、さらに外国人雇用の数は増えると予想できます。AIを使った翻訳アプリの精度も高まっているため、これからは外国人にとってさらに働きやすさを重視した企業が増えるでしょう。参考:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】/厚生労働省新たな在留資格「特定技能雇用」について外国人が日本で働くには、ビザと呼ばれる就労系の在留資格が必要です。在留資格にはいくつかの種類があり、2019年には新たな在留資格である「特定技能雇用」が認定されました。特定技能雇用は「1号」と「2号」に分かれ、以下のように内容が異なります。特定技能1号2号在留期間最長5年上限なし家族への在留資格与えられない与えられる必要な技能一定以上熟練の技能必要な日本語能力日常会話程度特になし取得できる業種14業種2業種特定技能雇用の2種類が在留資格に追加されたことで、外国人の日本での働きやすさがさらに向上しました。これから、さらに日本で働きたい外国人が増えることが予想されます。参考:【3月最新】外国人労働者受け入れ問題とは?メリットやデメリット、受け入れ方法も解説/ウィルオブ採用ジャーナル外国人が日本で働きやすさを感じるポイント日本で外国人が働きやすさを感じる点には、以下の4つが挙げられます。日本で働きやすさを感じるポイント①雇用が安定している日本で働きやすさを感じるポイント②保険・福利厚生が充実している日本で働きやすさを感じるポイント③ハイレベルな技術を学べる日本で働きやすさを感じるポイント④治安が良く安心して過ごせる日本で働きやすさを感じるポイント①|雇用が安定している日本の多くの企業が終身雇用制度を採用しているため、正社員として採用されると不当な理由で解雇されるリスクはほぼありません。たとえ非正規雇用だとしても、契約期間は原則として守られます。雇用が安定していてこれからの給料が予測しやすいことは、日本ならではの大きな働きやすさの魅力です。参考:「『日本型雇用」を考える』~国際比較、問題点、そして未来~」(視点・論点)/NHK日本で働きやすさを感じるポイント②|保険・福利厚生が充実している日本の多くの企業では、健康保険や雇用保険をはじめとする福利厚生が充実しています。外国人であっても、日本で働く場合は健康保険の加入が可能です。1年に一度のペースでハイレベルな健康診断を受けられ、病気やケガで医療機関を受診する際の費用も削減できます。保険以外の福利厚生の内容や質は企業によって異なりますが、通勤手当や住宅手当、出産休暇や慶弔休暇が一般的です。企業によってユニークな福利厚生を採用している企業もあるため、福利厚生の内容で企業の働きやすさを把握することもできます。参考:日本の一般的な福利厚生を簡単にわかりやすく解説!/G Talent Blog日本で働きやすさを感じるポイント③|ハイレベルな技術を学べる日本の技術やサービスである「おもてなし」や「メイドインジャパン」は、世界でも高く評価されています。日本で働くことにより、自国では学べないようなハイレベルな技術・サービスを学べるのが働きやすさの魅力の一つです。これから後述するように日本での就労は給与水準では他国を下回る場合がありますが、日本でしか得られない経験を得るために日本で働く外国人も多いのも事実です。参考:日本の技術力が世界的にすごい本当の理由/Freshtrax日本で働きやすさを感じるポイント④|治安が良く安心して過ごせる日本は、世界の中では特に治安が良い国として有名です。拳銃や麻薬を持つことも固く禁じられており、凶悪な事件に巻き込まれるリスクが他国と比べて大幅に下がるのも働きやすさの理由の一つです。政情も安定しており、日本なら本人だけでなく家族も安心して暮らせるでしょう。治安が良い国で働くと、仕事に集中できるといったメリットもあります。外国人が日本で働きにくいと感じるポイント多くの外国人にとって日本は働きやすさを感じる国枝はありますが、以下の理由から働きにくさを感じる人もいます。日本で働きにくいと感じるポイント①コミュニケーションのとりづらさ日本で働きにくいと感じるポイント②給与水準・待遇の低さ日本で働きにくいと感じるポイント③拘束時間の長さ日本で働きにくいと感じるポイント④文化・風習の独特さ日本で働きにくいと感じるポイント⑤手続きの複雑さ日本で働きにくいと感じるポイント①|コミュニケーションのとりづらさ国籍が違う人同士がコミュニケーションを取るには英語を用いるのが一般的ですが、日本人には英語を話せる人が少ないためコミュニケーションのとりづらさに苦労するかもしれません。日本で円滑なコミュニケーションをとるためには、多くのケースで日本語を使う必要があります。グローバル企業で働く場合は英語を使える人が多いかもしれませんが、日常生活を送る際に特に苦労することが予想されます。参考:日本人の英語力、非英語圏で87位に後退:スイスの教育機関2023年調査/nippon.com日本で働きにくいと感じるポイント②|給与水準・待遇の低さ近年では、アメリカやオーストラリアへ出稼ぎに行く日本人も現れるほど日本の給与水準は伸び悩んでいます。そのため、給与水準・待遇の低さに働きにくさを感じる外国人もいるでしょう。ただし、国によっては母国より日本で働いたほうが高い給与をもらえる人もいます。そのような方にとっては、日本で働くことに働きやすさを感じるため出身国によって大きな違いがあると言えます。参考:日本人の若者が海外に出稼ぎへ 増加の裏側にある労働問題/NHK日本で働きにくいと感じるポイント③|拘束時間の長さ拘束時間が長くなりがちなことも、日本企業ならではの働きにくさの原因の一つです。日本では労働時間の方で過労死する人が多く、度々問題になっています。残業時間や休日出勤が多くプライベートに割く時間が少なくなりがちなため、これから日本で働く予定の方は拘束時間の長さに注意が必要です。参考:長時間労働の原因は何なのか?日本人の労働実態と問題点/RELO総務人事タイムズ日本で働きにくいと感じるポイント④|文化・風習の独特さ日本は、仕事における文化・風習も独特です。たとえば「年功序列」という制度は常識として今も根付いており、単純なスキルや成績よりも「年齢の高さ」や「入社した早さ」の順に評価される傾向にあります。実力主義の傾向にある海外の企業を経験している人にとっては、ギャップによる働きにくさを感じやすいかもしれません。そのほかにも、「時間厳守」や「暗黙の了解」といった独特の文化もあります。仕事のクオリティや正確さよりも時間を守ることが重視されやすく、相手の気持ちを察した対応をとることも重要です。強い意見を突き通す人は、チームワークを乱す人物として敬遠される可能性があります。日本で働きにくいと感じるポイント⑤|手続きの複雑さ外国人が日本の企業で働くためには、就労ビザの取得が必須になります。就労ビザの申請から取得には目安として1~3ヶ月がかかり、手続きの内容も複雑です。職種・業種によっては就労ビザの申請が却下する可能性もあり、そうなると日本で働くことはできません。企業側から見ても、外国人を雇用するためには在留資格を確認する必要があるほか在留資格と職種・業種が一致しない場合は変更手続きを行う手間がかかります。こういった事情により、外国人の採用に慣れていない企業からは、外国人というだけで採用を見送られる場合があるでしょう。参考:就労や長期滞在を目的とする場合/外務省これから日本での外国人の働きやすさは改善されていく?日本で働きにくいと感じる理由もいくつかありますが、これから日本での外国人の働きやすさは改善される見込みです。その理由には以下の3つが挙げられます。これからの日本の傾向①政府は働き方改革を促進しているこれからの日本の傾向②グローバル化が急務になっているこれからの日本の傾向③コロナ禍を経て大きな変化がもたらされたこれからの日本の傾向①|政府は働き方改革を促進している日本政府は、現在働き方改革を促進しています。現状の日本では、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」や「育児や介護との両立などの働く方のニーズの多様化」など働き方に関する課題が山積みです。これらのさまざまな問題をを解消させるために、法改定などあらゆる形で働き方改革が推進されています。その結果、これからの日本では以下のような働きやすさの改善が見込めるでしょう。拘束時間の長さ:労働時間の短縮化による改善有給取得率の低さ:ワークスタイルの多様化による改善待遇の格差:女性やシニア層、非正規雇用者への待遇の改善グローバル化の遅れ⋯⋯海外からの人材・ノウハウの積極的な受け入れ拘束時間が下がり有給取得率が上がることにより、これからの日本の企業の働き方はより海外の企業に近付き働きやすさが向上するでしょう。女性やシニア層などへの待遇改善に伴い、外国人の就労条件の改善も見込めます。これからグローバル化を進める企業も多く、外国人が日本企業と融合しやすい環境も整いつつあります。参考:「働き方改革」の実現に向けて/厚生労働省これからの日本の傾向②|グローバル化が急務になっているグローバル化は、これからの多くの日本企業にとって急務です。これからさらに加速すると言われている日本の少子高齢化の波は止められず、新規顧客を開拓するために海外市場に目を向ける必要が生じています。これから社運をかけて海外展開を果たす企業も増えており、こういった企業から外国人は重宝されやすい存在です。特にIT業界では最新のデータや研究結果が英語でもたらされることも多く、語学力と知識を兼ね備えた外国人はたくさんの企業から求められています。これからグローバル化を急速に進める企業に就職・転職することで、頼りになる即戦力とみなされやすく、同じ境遇の外国人従業員とも手を取り合って働けるでしょう。参考:4年で12万人増、外国人エンジニア採用に注目が集まる理由を解説!/xseeds Hubこれからの日本の傾向③|コロナ禍を経て大きな変化がもたらされたコロナ禍を経て、日本企業の働き方は以下のように大きく変化しています。 コロナ前コロナ後働き方出社在宅勤務労働時間タイムカードによる管理ITシステムの導入会議現場オンライン満員電車に乗って定時に出勤するのが当たり前だった時代から、テレワークや時差出勤が認められやすい世の中に変わりました。会議も今やZoomなどを利用したオンライン会議が主流です。馴染み深い海外企業の常識に日本企業の常識が近付いており、これから外国人にとって働きやすさを感じやすい環境が生まれています。参考:コロナを通してどう変化した?働き方の多様化に伴う職空間の変化を知ろう!/コンキャリこれからの日本で働きやすさを求めるならグローバル企業への就職がおすすめ日本の企業において、外国人の需要はこれからさらに高まっていくことが予想されます。外国人は日本企業で働くことで、安定した雇用や保険・福利厚生の充実さなどの働きやすさを実感できる点がメリットです。文化・風習の独特さといった働きにくさを感じる可能性もありますが、日本では働き方改革が促進されているためこれからはこのような問題も無くなりつつあります。これからの日本で働きやすさを求めるなら、グローバル企業への就職がおすすめです。グローバル企業では働き方改革に率先して取り組んでいるだけでなく、外国人スタッフや外国人に理解のあるスタッフが多く在籍しているため働きやすさ感じやすいでしょう。自分にあったグローバル企業を探している方は、グローバル企業を専門的に取り扱う外国人ITエンジニアの転職エージェント『G Talent』がおすすめです。『G Talent』ではこれまでに70ヶ国籍以上のエンジニアを日本の企業とマッチングさせており、働きやすい環境の企業を見つけることができます。日本語学習やビザ取得のサポートも行っていますので、語学力に不安を抱えている方やこれから日本に進出する予定の方はお気軽にご相談ください。